ダイバージェンス
今回はテクニカル指標の読み方の基本的な事項から「ダイバージェンス」を取り上げます。 ダイバージェンスは、RSIやストキャスティクスをはじめとするオシレータ系指標のほぼ全てで使われる代表的な考え方ですが、簡単に言えば「価格とオシレータ系指標の方向性が異なる」ことを意味します。それでは、具体的に見て行きましょう。
本来の動き
ダイバージェンスにおいて方向性が異なるのであれば、本来の動きは方向性が同じということになります。実際にほとんどの場合は、価格の動きとオシレータの動きは同一です。下のドル円日足とRSI(8期間)の例をご覧ください。ラインを引いてありますが、価格が上がる時はRSIも上がり、価格が下がる時はRSIも下がっています。
上記のパターンがレギュラーパターンで、ダイバージェンスというのはイレギュラーパターンです。
ダイバージェンスと隠れたダイバージェンス
ダイバージェンスには、実は2つのダイバージェンスがあります。ひとつは一般的なダイバージェンスで以下のように説明されます。
(1) 買いのダイバージェンス
価格が以前の安値よりも安い安値を付けた(下がっている)のに対し、オシレータはより高い数値を付けた(上がっている)時に買い。
(2) 売りのダイバージェンス
価格が以前の高値よりも高い高値を付けた(上がっている)のに対し、オシレータがより低い数値を付けた(下がっている)時は売り。
つまり、先ほどのレギュラーパターンに対して方向性が違う状態がダイバージェンスです。先ほどのチャートの中井にも(2)の売りのダイバージェンスが出ている箇所があるのでご覧ください。
黄色のラインマーカーで示したところですが、青いラインが示しているように価格が上がっているのに対してRSIは下がっていることがわかります。これが、売りのダイバージェンスの例となります。
隠れたダイバージェンス
さて、ダイバージェンスにはややこしいことにもうひとつのダイバージェンスがあり、これを隠れたダイバージェンスと呼びます。
(3) 隠れた買いのダイバージェンス
価格が以前の安値よりも高い安値を付けた(上がっている)のに対し、オシレータがより低い数値を付けた(下がっている)時に買い。
(4) 隠れた売りのダイバージェンス
価格が以前の高値よりも安い高値を付けた(下がっている)のに対し、オシレータがより高い数値を付けた(上がっている)時は売り。
先ほどのいわゆるダイバージェンスと隠れたダイバージェンスの違いは、基準となる価格の方向性が違うだけで、価格の動きとオシレータの動きが異なるという点では同じです。 こうなってくると、こんがらがってきますしそもそも、ダイバージェンスと隠れたダイバージェンスを分ける必要性も感じません。単純に買いのダイバージェンスと売りのダイバージェンスという単純な分け方のほうが望ましいと思います。
まとめ
以下の図をご覧ください。上段が価格、下段がオシレータです。
左側2つが「買いのダイバージェンス」、右側2つが「売りのダイバージェンス」です。 図で見てもなかなか見つけられないと思いますので、ここでは買いと売りのダイバージェンスの正しい見つけ方を伝授しましょう。
「買いのダイバージェンス」
・オシレータを見るのが先、その際サポートラインを引く感覚で下側にラインを引く。
・そのラインと同様に価格にも下側ラインを引き、方向性が異なれば買い(2点間のラインを下ひげが抜いていても無視してよい)。
「売りのダイバージェンス」
・オシレータを見るのが先、その際レジスタンスラインを引く感覚で上側にラインを引く。
・そのラインと同様に価格にも上側にラインを引き、方向性が異なれば売り(2点間のラインを上ひげが抜いていても無視してよい)。
そして、ダイバージェンスが出た時には、「ローソク足の数にして2本目か3本目と早めに利食うと勝率が上がる」ことも併せて覚えておくとよいでしょう。
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