MacでMT4を使ってみよう
日本のスマホ利用者におけるiPhone率の高さ(なんと68%です!)ということもありますが、この5年くらいでしょうか、Macユーザーがかなり増えたように思います。私もWindowsとmac OSと両方とも使いたいということからMacを利用していますが、ときどきMacでMT4を使うにはどうすればよいかという質問を受けます。この週末にも受けたばかりなので、今回はMacでMT4を使う方法をまとめておこうと思います。
MacでMT4
MacでMT4を使うには主に、以下の3つのケースが考えられます。
(1) ウェブブラウザ版MT4の利用
(2) VPSの利用
(3) 仮想マシンの利用
順にそれぞれのメリット・デメリットを見て行きましょう。
ウェブブラウザ版MT4
こちらはFXTFの「MT4ウェブトレーダー」のページからログインするだけで簡単に利用できます。
https://www.fxtrade.co.jp/mt4/webtrader
上記ページからログインすると、ログインIDとパスワードを聞かれますのでFXTF MT4で使っているIDとパスワードと同じものを入力してください。LIVE、デモとも対応しています。ログインが完了すると以下のようなMT4画面が現れます。
見慣れた画面ですね。ワンクリックも含めて各種注文、デフォルトのテクニカル指標や描画ツール等、ほとんどインストールタイプのMT4と変わりません。ナビゲータペインは無いので、テクニカル指標や描画ツールはメニューの挿入から使うことになります。
またブラウザから使うため、Macに限らず、Windowsからも使うことは出来ますし、ダウンロードをする必要が無いため、初心者の方におすすめできるMT4です。ただし、カスタム指標、EA、スクリプトといったMQLプログラムを利用するものは利用できませんので、その場合には次のどちらかを利用することとなります。
VPS
VPSはWindowsデスクトップとも呼ばれ、クラウド上にWindows PCを持つイメージです。FXTFのページにも「使えるねっと」を例にVPSの説明がされています。
https://www.fxtrade.co.jp/vps
簡単に言うとクラウド上のWindowsにMT4をインストールした状態で稼働させ、そのWindowsをリモートデスクトップというツールを使って操作します。
ここではマイクロソフトが無料で提供しているMac用のMicrosoft Remote Desktop(リモートデスクトップ)を利用する例を見てみましょう。
VPSの会社から提供される各種情報をリモートデスクトップの設定画面に入力すると、以下のような接続画面が出てきます。
表示されているVirmachというのは米国のVPS会社で、私は激安という理由で同社のVPSを利用しています。このビジュアルな大きなアイコン(?)をクリックすると、クラウド上のWindowsに繋がります。FXTF MT4をインストールしておけば、Windows上で使うMT4とまったく同じMT4を利用することができます。
当然、カスタム指標やEA、スクリプトを使うことも出来ますし、クラウド上で24時間365日、常にMT4が動作した環境を維持できますので、特にEAを利用して自動売買する方にはおすすめです。また、Macに限らず、Windows PCやタブレットからも利用できるため、Macユーザーというよりも、広く中級者にお勧めできるMT4環境と言えるでしょう。
ただ、クラウド上にWindows環境を構築するため、ある程度の費用がかかります。「使えるねっと」のシルバーの場合(一般ユーザーはこれで十分)、年契約で1か月あたり2,647円です。利便性を考えると十分に見合う費用であると思います。ちなみに、米国Virmach社のVPSでは同じ水準の機能で年額100ドル、112円換算で1か月あたり933円と3分の1程度の費用で運用可能です。ただ、契約も設定画面もサポートもすべて英語なので、それでも大丈夫という人向けです。IT関連サービスの内外価格差はまだまだ大きいようです。
仮想マシン
仮想マシンは、Mac上にWindowsをインストールするソフトウェアです。仮想マシンというのは、一般的にOS上でOSを動かすソフトウェアのことを言いますが、macOSは単体で発売されていませんので、MacとWindowsの両方を使いたい場合には、Mac上で仮想マシンソフトウェアを使うこととなります。
仮想マシンソフトウェアには、無料で使えるVirtualbox(オラクル社)、有料のParallels Desktop(パラレルズ社)、同じくVMware Fusion(VMウェア社)があり、有料の後者2つはほとんどハードウェアのWindowsと違いが無いレベルの性能を仮想マシン上で出してくれます。仮想マシンの良いところは、PCをファイルとしてMac内で持つこととなりますので、そのファイルをコピーすればMac買い替え時でも即座に移行可能という点かもしれません。
以下の例は、Parallels DesktopでMT4をMac上で使っている例です。
このような感じで、MacのSafariとWindowsのMT4がシームレスにデスクトップ上に表示されていることがわかります。MacとWindows間でのコピー&ペーストにも対応していますので、かなり便利ではあります。ただ、あくまでもローカルマシンなので、EAを24時間稼働させたいという方はVPSのほうがよいでしょう。どちらかというと上級者向けのツールです。
また、仮想マシンソフトが5000~8000円程度、それにWindows10を購入する必要がありますので、それが16000~23000円程度かかります。ただ、こちらはソフトウェア代金なので1回限りです。MT4に限らずWindowsにしかないソフトをMac上で使いたい方には必須のアプリと言えますが、仮想マシンの場合100%動作が保証されているわけではないため、当該ソフトウェア会社に事前の確認は必要ですが、そうした心配はほとんど無いに等しいです。
私は、主に仮想マシンのWindows上でMT4を使いながらローカルで作業し、EAの稼働のみVPSを使うというスタイルです。これまで書いた通り、それぞれのメリット、デメリットがありますので、皆さんの実情に合った選択をされるとよろしいかと思います。
◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。また、FXTFでは「ライブラリ」機能のサポートは行っておりませんので予めご了承下さい。ご利用の際はご自身の判断でお願いいたします。