ホーム> 山中康司 >フィボナッチファン徹底解説

フィボナッチファン徹底解説

前回はMT4デフォルトの描画ツールに含まれているギャン関連のツールから「ギャンファン」の使い方を紹介しました。いくつかの考え方はあるものの、ギャンラインを過去の目立った高値と安値とに引くことで、ギャンファンを使うという考え方が最も使いやすいと思います。

フィボナッチファン

今週は似たような機能を持つツールから「フィボナッチファン」を紹介します。前回のギャンファンが当分割をベースとしているのに対して、フィボナッチファンは名前通り、フィボナッチ比をベースとしたトレンドラインとなります。まずは、ドル円日足チャートに引いたフィボナッチファンを御覧ください。



起点は今年の5月安値、終点は5月安値です。ツールからフィボナッチファンを選ぶと、上のチャートのようにフィボナッチファン(ここでは赤に変更)が引かれます。どのような根拠で引いているのかわかりやすいように、同じ期間のフィボナッチ・リトレースメントを青いラインで引いてあります。

黄色のラインマーカーで示した部分は、始点と終点を対角線とする長方形です。この長方形の右側の辺(青の点線)とフィボナッチ・リトレースメントの青い水平線が交差する各点(青の矢印)がフィボナッチファンを引くための点となります。つまり始点とこれら各点を結んだサポートラインが、上のチャートにおけるフィボナッチファンとなっていることが理解できると思います。

当然、先週のギャンファンとは比率が異なりますので、フィボナッチファンは異なった位置に線が引かれますが、どちらが正しいというよりも好みで使うということで良いと思います。ただ、どちらかを使うと決めたら、しばらくはひとつのラインでのみ考えたほうが、自身の見方がブレなくて良いでしょう。

タイム&プライス

さて、先週のギャンファンも今週のフィボナッチファンも値幅観測(縦方向)と時間観測(横方向)とを同時に判断することを可能とした簡易的な「タイム&プライス」(時間値幅観測)ツールです。本来的には、通常のフィボナッチ・リトレースメントもしくはフィボナッチ・エクスパンションとフィボナッチ・タイム・エクスパンション(チャート機能を使い倒すコツ⑥で紹介)とを組み合わせて判断するのが正式です。
ただ、2つの手法をそれぞれ表示するのが面倒ということもあって、同時に表示判断する方法として、これらの「ファン」をはじめとするいくつかの描画手法が出てきたわけです。個人的には、面倒臭がらずに2つを丁寧に表示する方法のほうが良いと考えていますので、その場合の手法(描画法)を以下に示します。

5月安値を起点、5月高値を終点としたフィボナッチ・リトレースメントは青の水平線で先ほどと同じです。ピンクの垂直線は上で紹介したフィボナッチ・タイム・エクスパンション(チャート機能を使い倒すコツ⑥で紹介)です。赤丸で囲ったところは、比率が一致するグリッドです。ドル円は5月高値のあとに下押しがすぐに終わりその後は緩やかな上昇トレンドとなったので、このチャートでは参考にならないものの、もし下げが継続していたら、これら赤丸の一致するグリッドを時間と価格の均衡点として最重視し、それいがいの全てのグリッドは時間と価格は均衡していないものの、重要なフィボナッチ比による一致を見る重要な時間と価格が均衡しやすいポイントと考えることができます。

また、さらに複雑になりますが、先程のフィボナッチファンと上記グリッドが一致する点もいくつか出てきます。これらは、黄金分割比で安定した時間と価格の均衡点と考えることができます。(下のチャートにおける緑の丸)



上の2つの丸は価格が高値そのものですから、そうではない二重丸で示した位置が重要な価格と時間の均衡点ということになります。つまり、先程の一致するグリッドと、この比が美しいグリッドと、が見るべき均衡点ということになってきます。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。

リスク警告 / 免責事項

  • 当サイトは、投資判断にあたり参考となる情報の提供を目的としており、金融商品の売買を勧めるものではありません。
    投資の最終的な判断はお客様ご自身の責任でされるようお願いいたします。
  • 当サイトは、当社が信頼できると判断した情報を掲載しておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
    ご提供する情報を利用につき生じた何らかのトラブルや損失・損害等につきましては、当社及びブログ執筆者は一切責任を負うものではありません。
  • 当サイトでご提供する情報の著作権は、当社又はブログ執筆者で帰属します。許諾なく、コンテンツを翻案、公衆送信等いかなる目的、態様においても利用することはできません。