ホーム> 山中康司 >チャート機能を使い倒すコツ⑨

チャート機能を使い倒すコツ⑨

今回も「チャート機能を使い倒すコツ」ですが、内容的には5月9日ラジオ日経「トレードパーティ・メタファン」で解説した内容の復習となります。併せてUSTREAM配信をご視聴いただくと理解が深まるかと思います。
http://www.ustream.tv/recorded/114772768

 

フラクタル

フラクタルはMT4に標準で装備されているテクニカル指標で、なぜか特別扱いされているビル・ウィリアムスが開発した指標群の中に含まれています。ビル・ウィリアムスは「トレーディング・カオス」(邦題:相場の達人)の中でこのフラクタルを紹介していますが、フラクタル自体は古くからある考え方で、一般的にはスイングHL(ハイロー)ポイントと呼ばれる典型的な高値と安値を決定するための考え方です。

スイングHLポイントは、Hポイントが高値の両側により安い高値を従えている状態(HIPとも言う)、Lポイントが安値の両側により高い安値を従えている状態(LOPとも言う)を示します。フラクタルではこの両側に従えている高値・安値を2本と本数を固定していることだけが唯一の違いです。ちなみにHLポイントは1本でも2本でも3本でも使いやすい本数を選んで構いません。

言葉で書くとわかりにくいのでフラクタルを例に図示しましょう。


左側は赤い丸印が高値、その両側に赤い矢印で示したより安い高値を従えています。これをUPフラクタルと呼びます。右側は青い丸印が安値、その両側に青い矢印で示したより高い安値を従えています。これをDOWNフラクタルと呼びます。


またフラクタルはどのチャート上に表示することも出来ますが、ザラバチャートであればより時間の長いフラクタル、さらに日足のフラクタル、週足のフラクタルと時間枠が長いものほど重要度が増します。今回はこのフラクタルをトレンドラインを引く際の各ポイントとして使おうということになります。

トレンドラインの起点と通過点

トレンドラインを引く際に慣れないと、サポートラインならばどの安値と安値を結べばいいのかよくわからないという方が多いのではないでしょうか。そうした場合には、まず日足のフラクタルを表示することです。ここでは放送5月9日ラジオ日経「トレードパーティ・メタファン」)に合わせて、放送で使っているチャートを例に話を進めます。

ドル円日足チャート(5月9日の朝)にフラクタルを表示します。



このように重要な安値と高値がグレーの三角で示されていることがわかります。サポート側を見ると、3月26日、4月2日、4月9日、4月17日、5月4日にDOWNフラクタルが表示されています。これらの線の中で最安値の3月26日のDOWNフラクタルと、その時点で全てのローソク足が上側に来るような2点目のDOWNフラクタルとして4月17日を選択します。


この2日を選択してサポートラインを引いてみましょう。私は平行チャンネルを引くことを好むので、ここではサポートラインに平行かつすべての高値が収まる平行線を引いてあります。



そして、ここからがMT4の便利なところです。このチャートを示した状態で、ザラバチャートに切り替えます。H1にしてみます。



この日は放送時点ですでにドル高へと動いていましたが、D1で引いたサポートライン近辺で反発しているということがわかります。また、このサポートを抜けたか抜けないかは、もともとの日足チャートの「終値」で抜けたかどうかを判断基準とします。つまり、5月15日時点でもギリギリ終値ではこのサポートラインを下抜けていませんので、ドル円における上昇トレンドはギリギリ継続状態と考えることができます。(ご自身でご確認ください)

このフラクタルの日足、もしくは週足を使ったサポート、レジスタンスは重要な反転ポイントとなること、また日足の終値で抜けた場合にはトレンドが終了した可能性が高いことを判断するのに使い勝手が良く、初心者の方でも誰でも同じように引くことができるに違いありません。是非、お試しください。

◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。

リスク警告 / 免責事項

  • 当サイトは、投資判断にあたり参考となる情報の提供を目的としており、金融商品の売買を勧めるものではありません。
    投資の最終的な判断はお客様ご自身の責任でされるようお願いいたします。
  • 当サイトは、当社が信頼できると判断した情報を掲載しておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
    ご提供する情報を利用につき生じた何らかのトラブルや損失・損害等につきましては、当社及びブログ執筆者は一切責任を負うものではありません。
  • 当サイトでご提供する情報の著作権は、当社又はブログ執筆者で帰属します。許諾なく、コンテンツを翻案、公衆送信等いかなる目的、態様においても利用することはできません。