チャート機能を使い倒すコツ⑥
定期的に紹介している「チャート機能を使い倒すコツ」ですが、6回目はフィボナッチツールから「タイムゾーン」を取り上げます。タイムゾーンはある日(あるいは時、分)を起点として将来の重要な日を予測する日柄観測ツールです。
標準のタイムゾーン
通常は起点として目立った安値(あるいは高値)を使い、そこから節目の日柄を考えることとなります。ここではドル円の日足チャートを用いてどのように表示されるかを見てみます。
上のチャートでは3月26日の年初来安値104.633を起点として、翌27日を次のターゲットした場合の例ですが、起点の3月26日が0、翌27日が1となっていて、その後はフィボナッチ数列に相当する2, 3, 5, 8, 13, ・・日目にラインが引かれていることがわかります。
プロパティを見ると以下のようにフィボナッチ数列が入っていることが確認できます。
これはこれでよいのですが、そもそもフィボナッチ数列の日柄を重要な転換点と考える手法はあまりに単純で、利用者は少数であると言えます。そこで、今回はこのプロパティを変えてより使い勝手のよい「フィボナッチ・タイム・エクスパンション」に変えてしましましょう。
タイム・エクスパンション
タイム・エクスパンションというのは、2つの安値を見つけ(ダブルボトム)その安値と安値の間の日数を1として、安値と安値の間の高値からフィボナッチ比に当たる日を重要な日柄と考える手法です。もちろん、逆サイドで高値と高値の間の安値を使うこともあります。
このタイム・エクスパンションの日柄観測を利用するため、タイムゾーンのプロパティを次のように変更します。
フィボナッチ数列ではなくフィボナッチ比ですね。使い方に若干コツがありますが、安値と安値の間の高値からの日柄観測を行ってみます。
2つ目の安値は先ほどの安値で良いですから、それよりも前の安値でかつ間に高値が来るような日を探します。ここでは3月2日の安値105.249を起点とします。以下のようなチャートになりますが、まだ第1ステップです。
第2ステップは上記で表示された日柄を安値と安値の間の高値(3月13日107.293)までドラッグ&ドロップします。以下のようなチャートになるはずです。元の日柄と区別するため色を青に変えました。
実際に操作してみると文字で読むよりは簡単です。
重要なのがこの青で示した日柄です。つまり、安値と安値の間の高値を起点に、安値と安値の間の幅(時間)を延ばしてあげた日柄「タイム・エクスパンション」は多くの人に使われている日柄観測手法と言えます。
通常は1以上の日柄を見ますが、間の時間が長い場合には0.5、0.618という日柄を使うこともありますし、カリスマトレーダーのラリー・ウィリアムズ氏は1.272(√1.618)という数値を使うことを好んでいました。もっとも参考にされるのは1.618です。
ちなみに1.0は明日4日、1.272は4月10日、1.618は4月18日となります。これら3つの日が転換しやすい日柄となりますが、そうなるとそれまで円高が進行すると考えることも出来るでしょう。まずは、上記日柄を参考にしつつ、ご自身で他の通貨ペアや時間枠で試してみてください。日足以外のザラバチャートや更に長い週足チャートでも利用可能です。
◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。