FXTF HiLo Activator【第三弾】
FXTF HiLo Activatorのパラメータを追加
前回、前々回とFXTF HiLo Activator※を使った検証を進めてきました。しかし、変更可能なパラメータが特にありませんでしたので、通貨ペアを変える程度のことしかできませんでした。前回ブログの最後でも触れましたが、フィルターとして使われているEMAが60期間で固定となっている部分を仮に変数として変更できるようにしたらどうなるだろうかという点がずっと引っかかっていましたので、今回はテスト検証として、このEMAの期間を最適化することでより良い結果が得られるかどうかを調べてみることとしました。
※こちらのEAはデモ口座のみご利用いただけます。ライブ口座では稼働しませんので予めご了承ください。
なお、現在提供されているEAは実行ファイルのみのため、改修はわずか数文字と言えども皆さんがご自身で変更することは出来ません。FXTFの担当の方と相談の上でEMAを変数化したFXTF HiLo Activatorの提供が可能でしたら改めてお知らせさせていただきます。
参考までに変更した箇所はEMAのパラメータを設定する行で、旧が整数の定数(int)、新が整数の変数(extern int)となっているのみ。わずか6文字の追加です。
旧→ int GMMA_High_Period = 60;
新→ extern int GMMA_High_Period = 60;
これでコンパイルし直すと以下のようにGMMA鯨高値の期間が60以外に好きな整数を入力することが出来るようになります。
GMMA60というのは長期グループの中で最長の期間となり、通常の長期グループは30, 35, 40, 45, 50, 60の6期間です。もっと短い期間を使うことも可能ですが今回はこの長期グループの30~60までを5期間ずつずらしながら最適なパラメータが60以外に存在するかどうかを検証してみます。
GMMA高値の最適化
上記の設定ですと以下のようにステップを5とすればよいわけです。
それでは、上記設定で最適化を行ってみます。これまでも最適化については何度も書いてきましたのでやり方はもう大丈夫ですね。上記の設定をして最適化にチェックを入れスタートするだけです。今回は全てで7パターンですからそれほど時間はかかりません。
パターンも少ないですし、ひとつずつ見て行った方が何か見えてくるかもしれませんので、30から5ずつパラメータを上げて行って見ましょう。
EMA=30 純益=3846.43 最大ドローダウン=29.59%
EMA=35 純益=4634.41 最大ドローダウン=29.31%
EMA=40 純益=4754.82 最大ドローダウン=28.76%
EMA=45 純益=3080.28 最大ドローダウン=27.24%
EMA=50 純益=4839.97 最大ドローダウン=24.94%
EMA=55 純益=5194.53 最大ドローダウン=25.65%
EMA=60 純益=5517.98 最大ドローダウン=27.93%
あくまでもUSDJPY、H4で固定した2年間ではあるものの、ドローダウンは50~55期間あたりで低くなり、純益については概して期間が長い方が良いという結果が見えてきます。
ためしに、更に長くして70期間と80期間も見てみましょう。
EMA=70 純益=4237.35 最大ドローダウン=25.32%
EMA=80 純益=3695.39 最大ドローダウン=25.42%
意外な結果ですが、60期間がピークでそれ以上長い場合には純益がまた減ってきていることがわかります。
今回の最適化で分かったこととこのEAの特徴
今回の最適化によってわかったことはフィルターとして用いるEMAは短くても長くても純益は減少し60期間で最大化されていることです。結果としては無駄な作業に終わったものの、当初の定数60というのはあながち悪くない設定であったこともわかります。
また、今回はフィルター部分を変えていくのみですから損益曲線自体に大きな差異が認められないのは当然かもしれませんが、どの期間のフィルターを用いても大体似たような傾向を示し、比較的大きめな最大ドローダウン(24.94%~29.59%)もあまり改善は見られませんでした。やはり前回も書いたことですが、やや扱いにくいEAであると思いました。
さて、次回からは周辺ツールを使って、多角的にEAのパフォーマンスに分析を加えてみます。
◆本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、FXTFの見解、分析ではございません。