FX自動売買と裁量取引はどっちがいい？メリット・デメリット
こんにちは、元メガバンク為替ディーラーの鈴木拓也です。
世界中FXの取引は、大きく分けて「裁量取引」（裁量トレード）と「自動売買取引」（システムトレード）の2種類があります。
経験豊富な上級者のトレーダーであれば上手に使い分けすることができますが、FX初心者にとっては「どっちを選択すればいいのだろう？」と悩むところです。
実はどちらにも一長一短があります。今回は裁量取引と自動売買取引のメリットとデメリットについて詳しくお伝えしていきます。
今回の記事でわかること
- 裁量取引と自動売買取引のメリットとデメリットの違い
- 裁量取引と自動売買取引の目的による使い分け
裁量取引のメリット・デメリット
裁量取引とは、「自分で分析し、自分で判断し、自分で売買する」という取引方法です。つまりほとんどのことを自分でやるのが裁量取引になります。
裁量取引のメリット
裁量取引の一番のメリットは、「経験を積むことでトレード力が身についていく」という点でしょう。
裁量取引を続けていくことで、トレーダーとして成長していくということです。
FXで勝つためには、世界の経済情勢に敏感になる必要があります。
そのために金融政策などの重要な情報をタイムリーに入手し、ファンダメンタルズ分析をして相場がどう変動していくのかを予想していくのです。
またテクニカル要素で相場が動くこともありますので、インジケーターを利用してチャート分析をしていく必要があります。
特にチャートの節目はトレンドの発生や転換期になるのでその見極めは重要です。
予想は外れることが誰にでもあります。
外れたときの損失をいかにして軽減していくのかも、実際に取引経験を積み、失敗から学ぶ必要があるでしょう。
成功体験と失敗体験を繰り返しながら、投資に精通していくことができるようになっていくのです。
FX初心者は少額の資金でも構わないので、まずは裁量取引で腕を磨いていくことが大切でしょう。
長く投資家として活躍していきたいのであれば、裁量取引をメインで扱っていくべきです。
裁量取引のデメリット
裁量取引の一番のデメリットは「負担が大きい」という点です。
ひとつは「時間的な負担」で、分析するだけでも時間がかかるのに、さらに相場の動きを確認しながら新規注文を入れたり、決済する必要があるので、時間がとられます。
特に短期売買のトレードスタイルであるスキャルピングやデイトレードは頻繁にチャートを確認しなければならなくなります。
本業の仕事が忙しい、家事や勉強などで時間が確保できないといった場合には、裁量取引で勝つことは難しくなるでしょう。
また「精神的な負担」もあります。
どれくらいの値幅で利益確定するのか、損切りするのかを事前に決めてから臨むのが一般的ですが、ルールを守ることは意外に難しいものです。
実際に含み損を抱えたときに「為替レートが戻るかもしれない」、「できれば損はしたくない」という誘惑に負けて損切りできず、結果として致命的な損失になるケースがあります。
逆に少しの含み益でも飛びついてしまうというケースもあります。
FX初心者が大敗する一番の原因が、こういった感情に左右されてしまい損大利小になることです。
メンタルコントロールが難しいので、FX初心者が安定して勝ちにくいという点が裁量取引のデメリットです。
ただしこの反省と学習が、投資家としての力量を高める重要な要素でもあります。
裁量取引のメリット・デメリットのポイント！
- 継続していくことで、トレード力を向上させていくことができる。
- 時間的、精神的な負担が大きく、それが負けに繋がるケースが多い。
スプレッドが特に狭いFX会社で、私のおすすめは「ゴールデンウェイ・ジャパン（FXTF）」です。
FXTFについて詳しく知りたい人は、【ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF)の評判は？メリット・デメリット】をご覧ください。
自動売買取引のメリット・デメリット
一方、自動売買取引とは、「自分の代わりに自動売買プログラムが売買する」という取引方法です。
どんなロジックになっているのかは利用する自動売買ツールによって異なり、FX会社独自開発の自動売買ツールを提供しているケースと、世界中で愛用されているMT4やMT5といったトレードプラットフォームに対応しているEAをダウンロードするケースに分かれます。
自動売買取引のメリット
自動売買取引の一番のメリットは、「24時間取引をして利益を積み上げていくことができる」という点です。
ファンダメンタルズ要素については自分で情報を収集し、ある程度分析をしていく必要はありますが、売買はすべて自動で行ってくれますので、時間的な負担は裁量取引と比較するとかなり軽減されます。
仕事をしている間も、寝ている間も24時間稼働していますから、本業が忙しくてわずかな時間しかトレードチャンスがなかった人にとっては、FXで稼げる可能性が大きく高まります。
さらに、自動売買取引の場合、事前に決めた設定通りに機械的に売買を行うため、感情的になって利益確定や損切りを行ってしまうという悪癖を予防することができます。
今までFXで勝てなかった人にとっては、この点だけでもかなり大きなメリットです。
つまり、自動売買取引は時間的な負担だけでなく、精神的な負担も軽減してくれるわけです。
自動売買取引のデメリット
自動売買取引のデメリットは、「依存し過ぎてトレード力が向上しない」という傾向がある点でしょう。
もちろんしっかり情報収集して分析に時間を割き、自動売買取引の設定を見直し、反省から学ぶという姿勢があれば自動売買取引であったとしてもトレード力を磨くことはできます。
ただ、自動売買取引の場合、一流のトレーダーの取引をコピーするものもありますので、知識や経験がなくてもカバーして利益を出すことができるのです。
自分で勉強することなく、自動売買取引に依存し過ぎると投資のスキルアップが図れないというのが注意すべき点です。
また、どのような自動売買取引ツールを利用するかによって環境は異なりますが、裁量トレードに比べて「手数料が多くかかる」というデメリットもあります。
独自で自動売買ツールを提供しているFX会社の場合は、スプレッドが広くなっており、取引コストを余計に支払う必要があります。
EAの場合は、ランニングコストはかからないものの、高い実績をあげているような高額なEAを購入すると、それだけイニシャルコストがかかってしまいます。
自動売買取引のメリット・デメリットのポイント！
- 時間的、精神的な負担を大きく軽減することができる。
- 依存してしまいトレード力がなかなか向上しない傾向がある。
FX自動売買について詳しく知りたい人は、【FX自動売買おすすめは？儲かるソフトと1700万の運用実績比較】をご覧ください。
裁量取引と自動売買のメリット・デメリットのまとめ
FX初心者にとっては、裁量取引よりも自動売買取引の方が成果は出しやすいでしょう。
ただし、知識に乏しいと、自動売買取引の設定についてもよく理解できず、パフォーマンスを発揮できないケースがありますし、なにより自動売買取引に頼っていると、自分自身のトレード力が磨かれないので、「一流のトレーダーを目指したい」、「他の投資方法にも通用するような投資スキルを身につけたい」というのであれば、裁量取引をしながら同時に勉強もしっかりしていくことがお勧めです。
始めた当初は負け続けるかもしれませんが、長い目で見るとその投資が大きな財産になり、自分の力で資産を増やすことができるようになります。
著者について
鈴木 拓也
1987年生まれ。明治大学理工学部卒業、東京工業大学大学院修士課程修了後、2012年に株式会社三井住友銀行に入社。市場営業部門（東京本店）と香港支店にて為替カスタマーディーラー業務、インターバンクディーラー業務に従事。FXを中心とした金融投資のWebメディアを運営する株式会社フィンテラスを2018年に設立し、代表取締役に就任。
You Tubeチャンネルの登録者数は8万人超（2021年4月時点）
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト（CMA）
・株式会社フィンテラス
・元メガバンク為替ディーラーが教えるFX初心者講座
| ※本稿は筆者の個人的見解に基づき、執筆されたものです。あくまでも個人ユーザー向けのコラムとして提供された参考記事であり、ゴールデンウェイ・ジャパン（株）の見解、分析ではございません。※口座申込み完了日時が2020年5月2日AM9：00以降のお口座では、FX自動売買プログラム（EA）を組み込んで行う自動売買取引はできません。 |
